スケジュール管理ができない!と悩むあなたへ5つの知恵

仕事のクオリティを上げるにも、円滑な組織運営にも、何より個人の時間を確保するためにも、スケジュール管理は重要な課題です。それだけに、スケジュール管理のメソッドは世の中で非常に多く語られています。今回はそれらをヒントに、ペコリッチプラスが特に有用な5つの知恵を提案しました。

スケジュール管理ができない理由

まずは、スケジュール管理ができない背景には、どんな状態があるのか。簡単に整理していきましょう。

そもそもスケジュール管理をやっていない、軽視している

先々を見据えたスケジュール管理は、自分を楽にする武器になります。

作業時間見積が正確ではない

大雑把なタスク管理では作業時間を正確に見積もることができません。また、スケジュール感を合わせるには一定のスキルも必要です。

作業の優先順位が付けられていない

作業の順番を間違えると、トラブルやスケジュールの破綻につながります。

ラストスパート志向

締切間近のラストスパートは、良い点もありますが弊害も!? スケジュール管理の観点からは、スタートダッシュ志向に利があるかもしれません。

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タスクを細分化し、スケジュールに落とす

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今、自分が持っている仕事を把握するには、TO DOリストが便利です。実際に、日々の業務に活用している方も多いでしょう。では、ひとつひとつのTO DOはどれくらいの細かさで、記載されているでしょうか?

要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」では、仕事の段取りを立てるのが苦手な人は、「これ以上ないくらいに仕事を細かく刻む」ことを勧めています。次のようなイメージです。

部長にメール文案を確認する

部長にメール文案の確認を依頼する
部長から確認依頼結果を受け取る

経理から売上データをもらう

経理に売上データの提供を依頼する
経理から売上データを受け取る

適切な大きさは人によりさまざまですが、TO DOの単位が大きすぎると全体の工程、作業量を正確に見積もることができません。少なくとも、具体的なアクションがイメージできる程度には落とし込むことをおすすめします。

細分化していけば、それぞれのTO DOの所要時間が見えて、より明確にタスク化することができます。
各々に優先順位をつけて、締切を定めた上でスケジュールに落とし込んでいきます。特に締切の決まっていないタスクでも、自分で締切を設定して、スケジュールに反映させるのがおすすめです。

タスクの細分化とスケジュールへの反映は、「すごい効率化」著者の金川顕教さんも推奨しています。

TODOリストのデメリットは、優先順位がないことと、期限がないことです。このふたつがないと、どれから手をつけるべきかがわからず、結果的に優先順位が低いことから始めてしまったり、いつまでにやるべきかがわからないためいつまで経っても終わらせられない、ということになりがちです。
<中略>
やり方は何でもかまいませんが、私の場合はグーグルカレンダーのTODOリストにタスクを入れるようにしています。グーグルカレンダーのリストだと、期限も入れられるためです。パソコンとスマホで同期することも可能ですし、リマインダー機能も活用できます。

すごい効率化

できるだけ先までスケジュールを埋める

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スケジュール帳を先まで予定で埋めてしまうことに、抵抗がある方もいるでしょう(かくいう筆者もそうでした)。計画を立てるのも面倒ですし、自由な時間がとれなくなってしまうように感じられます。
しかし、時間管理の達人たちは、まったく反対の意見を持っているようです。

自分の自由を確保するためには、絶対に先々の予定まで決めることです。
たとえば「ここで有休をとって旅行に行こう」「ここはコンサート」など、数カ月先まで予定を決めてしまえば、それが自由を確保することと直結しますし、時間に追われることはなくなります。
このように、段取りの良い人は、忙しいからこそ、先々の予定を決めることで、自分の時間を確保しているのです。

会社では教えてもらえない 残業ゼロの人の段取りのキホン

あなたも、先々の予定が入っているとしたら、きちんと認識しましょう。それで、時間の価値が生まれます。無価値だった先の時間が価値を持ったのです。アポイントの約束をする際に、僕はなるべく先々の予定まで決めようとします。そうすることによって、価値が生まれるからです。
「何週間も先まで予定がいっぱいだと気が滅入る」という人がいます。しかし、これは間違いです。先々の予定まで決めるからこそ、しっかり休むことができるのです。

誰よりも短時間で、常に最高の成果を挙げる人の すごい! 時間管理術

作業時間を見積もる時間をもらう

上司や取引先から、「1週間後までにこの資料を仕上げてください」と仕事を振られて、深く考えずに受けてしまったが、実は思いの外手間のかかる作業で締切に間に合いそうにない…。そんな経験をしたことはないでしょうか? こうなると、他の仕事も手につけられませんから、スケジュールはぐちゃぐちゃになってしまいます。

これを防ぐには、瞬発的に仕事を受けず、「作業量を確認させてください。期日は本日中に回答します」と、作業時間を見積もる時間をもらうことです。しっかり確認した上で、与えられた期日までに間に合うのかを判断し、間に合わない場合は延長やサポートの交渉をすることができます。

相手が示した期日を、何が何でも守る必要はありません。立場が上の人でも、きちんと根拠を示せば対等な交渉ができますし、無茶振りだとわかれば、相手が非を認めてくれるかもしれません。
しかし、それも仕事の依頼直後、受託する前だからできること。いったん期日を了解して仕事を受け、できそうにないからと、締切直前に泣きついても対等な立場とは見てもらえないでしょう。

スタートダッシュで作業を見積もる

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人は締切を決められないと、ついついのんびりと仕事をしてしまいがちです。反対に、締切の直前に猛烈な追い込みをかけてなんとか間に合わせた、という経験も、多くの方がお持ちでしょう。
特に期日が設定されていなくても、すべての仕事には締切を設けて、効率化を図るのは有効なアイデア。決まった締切ありきで、火事場のバカ力にも期待してスケジュールを維持していくーーそんな考え方もあるでしょう(筆者も同じ考え方を持っていました)。

しかし、こうしたラストスパート志向に真っ向から意義を唱えるのが、Microsoft本社で Windows 95などの開発に携わり、起業家・エンジェル投資家として活躍する中島聡さん。これはもう、ご本人の著書から引用させていただきます。

10日でやるべきタスクだったら、その2割の2日間で8割終わらせるつもりで、プロジェクトの当初からロケットスタートをかけなければなりません。初期段階でのミスならば簡単に取り戻せますし、リカバリーの期間を十分に持つことができます。
とにかくこの時期に集中して仕事をして、可能な限りのリスクを排除します。考えてから手を動かすのではなく、手を動かしながら考えてください。崖から飛び降りながら飛行機を組み立てるのです。
<中略>
そうして、実際に指定の2割の時間がすぎた段階で、仕事がどのくらい完了しているかをできるだけ客観的に判断します。8割方終わっていればスケジュールどおりに進んでいると考えていいでしょう。6割くらいしか終わっていなかったらかなりの危機感を持つべきです。その段階で万が一、完成度が6割未満だった場合は、<中略>「締め切りまでに完成できない可能性がある」と判断し、上司に状況を説明してスケジュールの見直しをしてもらいましょう。

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自分が持っている作業時間の最初の2割で、8割終わらせるという考え方。この期間は、ご本人曰く「界王拳(マンガ『ドラゴンボール』に登場するパワーアップ技。発動中は戦闘力が2倍、4倍、10倍と向上する)」を使って、徹底的に仕事に集中します。そして、残った8割の時間を使って、仕事の完成度を上げていきます。いっぽう、最初の2週間の進行が目論見通りでないようなら、そもそもスケジュールどおりの進行が難しい、と判断します。

藤田さんの場合、ソフトウェアのプログラムという特殊な仕事ですから、すべてに2:8の割合が当てはまるかは検討の余地があります。しかし、作業時間を正確に見積もるにも、仕事のクオリティを上げるにも、精神的にゆとりを持つにも、スタートダッシュ志向は有効な考え方のひとつです。10日もかかる長いものでなくても、数時間から1日単位の作業で応用できるのではないでしょうか。
実際、筆者もスタートダッシュ期間を明確に定め、徹底的に集中することで、作業時間の見積と実際のギャップが縮小しました。スケジュールが安定したことは、言うまでもありません。

25分集中するポモドーロ・テクニック

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ポモドーロ・テクニックとは、タスクを25分ごとに分割して、5分間の休憩をはさみながら30分ごとに、仕事をこなしていくメソッドです。1タスク25分間が1ポモドーロで、4ポモドーロごとに長い休憩を入れます。イタリアのフランチェスコ・シリロ氏が考案しました。

※ポモドーロはイタリア語でトマトのこと。シリロ氏はこのメソッドを開発する際、トマト型のキッチンタイマーを使用していた

メリットは、時間を区切ることで集中力が増し、パフォーマンスを向上させられること。スケジュール管理の観点からは、タスクの予定と進行を、より細かく確認できることが挙げられるでしょう。1ポモドーロに割り当てたタスクが完了しなければ、タスクの細分化と、全体の作業時間の見積が間違っていたことになります。すぐに軌道修正ができます。

25分の中で火事場のバカ力効果を狙うもよし、藤田さんのロケットスタート理論と組み合わせて運用するのも良いでしょう。たとえば最初の10分で、1ポモドーロのタスクの大半を終わらせる、という繰り返しができれば、合間にメールを返信したり、次のポモドーロの予習をしたり、といった余裕がうまれそうです。

まとめ

スケジュール管理がうまくいかない、という悩みを個人レベルで解決するには、まず仕事の全体像を把握し、アクションできるサイズにタスクを細分化すること。それぞれのタスクには所要時間を設定し、スケジュールと連動させましょう。あるいは、ポモドーロ・テクニックに則り、25分単位で逆算してタスクを区切るのも手です。
与えられた期日を丸飲みするとスケジュール管理は破綻する可能性があります。冷静にタスクの作業時間を見積もり、締切を了承するというワンクッションを入れることが大切。締切間近のラストスパートだけでなく、仕事を受けた瞬間からのロケットスタートで、余裕のある進行にチャレンジしてみるのもおすすめです。

 

参考資料

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

誰よりも短時間で、常に最高の成果を挙げる人の すごい! 時間管理術

会社では教えてもらえない 残業ゼロの人の段取りのキホン

すごい効率化

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