接客が上手な人の特徴とは? 5つのポイントとスキルアップ法4+1

皆さんの周りには、お客様を喜ばせられる人、商品を売るのが上手な人はいませんか? 医療事務、アパレル、コーヒーショップ、レストランと、多様な接客経験を持つマナー講師の村山愛さんが、その秘密を紐解いてくれました。

 

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接客が上手い人の5つの特徴

お客様に良い接客を提供するには、いくつかの根本的なスキルが必要。村山さんは特に重要な特徴として、5つのポイントを挙げました。

1.共感力が高い

相手に寄り添うことが接客の基本。自分の事情や感情をベースに、お客様に接すると、良い結果は出づらいものです。

接客が上手な人は、お客様がどんな気持ちになっているか、敏感に感じ取り、その場に適した言葉や態度を選択します。良いサービスパーソンは、お客様が困っていたら同じように困惑した表情を見せ、その後に笑顔で安心感を与えるなど、共感のアウトプットに長けています。また、優れたセールスパーソンは、それぞれのお客様が商品やサービスを利用したらどんなベネフィットがあるか、イメージを共有してふくらませます。

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2.傾聴力が高い

共感力にも通じますが、接客が上手な人は概して聞き上手です。人は「自分の話を聞いてもらっている」と感じると、相手を信頼し、心を開きます。

もちろん、話を聞くほどに、相手のことをよく知ることができるので、適切な反応をとりやすいという利点もあります。反対に、自分の好みや主張を押し付けるだけでは、言葉はお客様の心には届きません。

3.視野が広い

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飲食店やアパレルショップ、宿泊施設など、不特定多数のお客様が訪れる空間では、同時多発的にさまざまな事象が起こります。周囲に目配り、気配りができる人は、それらを的確に判断し、瞬時に最適な行動をとることができます。自分のタスクに集中しすぎると、周りで問題が起こっていても気づかず、対応が遅れます。

たとえば、視野が広い飲食店のホールスタッフは、料理の提供が遅れているお客様の表情を、いち早く察知して言葉をかけたり、聞こえるように厨房に催促するなど、不満が高まる前に対応できます。

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4.商品・サービスへの愛着が深い

接客の楽しさとは、お客様に直に接して、喜ぶ姿を見たり感謝の言葉を受け取れること。その裏には、商品をつくったり、サービスを陰ながら支える大勢の人がいます。飲食店なら料理をつくるキッチンスタッフ、ホテルなら掃除やベッドメイクをする清掃員がいなければ、サービスを提供できません。

接客の上手な人はこのことを忘れません。そして、仲間たちが用意してくれた商品やサービスを愛しています。だからこそ、情熱を持って接客を向上させ、自分の言葉でプレゼンテーションすることができます。

5.言葉への感度が高い

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接客する人にとって、言葉も武器になります。接客が上手な人は、気持ちを込めてお客様とあいさつや会話を交わし、自分の言葉で、商品やサービスをプレゼンテーションします。
敬語など正しい言葉を使うことも、良い接客を行う条件です。間違った言葉遣いはお客様に違和感を与え、知らない間に印象を悪化させます。

接客のスキルを上げるには? プロが勧める4つの方法+1

接客が上手な人が持つ能力を身につけるにはどうすればよいのか? すぐに実践できるスキルアップの方法をまとめました。

1.常に+αの言葉を考える

上記でお伝えしたとおり、接客には共感力と言葉も重要です。接客の質を上げるためにも、スキルアップのためにも、村山さんはお客様にかける「プラスαの一言」を重視します。
「ありがとうございました。夜遅いのでお気をつけてお帰りください」「暑い中本日もお越しいただき、ありがとうございます」といった、定形のあいさつに添える一言です。肝心なことは、そのお客様や場面に応じた言葉であること。プラスαの一言を考えることは、自然と相手の気持ちを考えることにつながります。

2.商品やサービスについて仲間と話し合う

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自社の商品が身近になりすぎて、大事な魅力を見落としている可能性があります。しかし、商品やサービスについて同僚と話し合えば、新たな視野で見つめ直し、気づかなかったポイントを発見できるかもしれません。いつも新鮮な気持ちで、自分たちの商品に愛着を持ち、それをお客様に伝えることができます。

3.他社の接客を受ける

接客が上手な先輩や同僚を見習って、その振る舞いやテクニックを学ぶことはスキルアップの大前提。加えて、接客に定評のある競合他社のお店や施設に訪れて、お客様としてサービスを体験するのがおすすめです。客観的な視点で、自社の良い点、悪い点が見えるようになります。

4.体系的に接客を学ぶ

接客の道を極めるなら、体系的にまとめられたノウハウを学ぶのが近道です。村山さんが所属するNPO法人 日本サービスマナー協会は、「接客サービスマナー検定」を運営しています。接客の基本からビジネスマナー・クレーム応対などさまざまな知識・技能を、判定する検定試験です。対策講座も開催しているので、資格取得の過程で幅広い知識を得ることができます。

また、村山さんは接客を学ぶ書籍として、次の1冊を勧めてくれました。ぜひ、読んでみて実際の業務に生かしてください。

「接客サービスマナー検定」を運営するNPO日本サービスマナー協会が、そのノウハウを一冊に凝縮。高度なサービス適性を求められるサービス業を中心に、医療・福祉・介護の分野や金融業界などの幅広い分野で浸透している「思いやり」や「おもてなし」(ホスピタリティ)について詳しく解説しています。

[プラス1]トライ・アンド・エラーを繰り返す

飲食店やホテルのスタッフは、一日に数十人、場合によって100人以上のお客様を接客します。それだけ機会があるということは、自分の接客に対して、たくさんのフィードバックが得られるということです。
声をかけるタイミング、プラスαの言葉、笑顔の表現など、ひとつひとつ自分で工夫する人と、マニュアル通りに漫然と仕事をする人では、数年後の接客スキルは大きな差が開きます。

まとめ

マナー講師の村山さんによれば、接客が上手な人には「共感力」「傾聴力」「視野」「愛着」「言葉」といった特徴があります。特にお客様に共感することは、接客の基本中の基本。自社の商品やサービスへの愛着を持つことも、接客のレベルを上げる重要な要素です。

接客のスキルアップには、お客様にかける「プラスαの一言」を考えることが有効。接客を体系的に学ぶなら、接客サービスマナー検定を受験するか、村山さんおすすめの書籍を読んでみてはいかがでしょうか。

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