プロが教える「接客で大切なこと」とは? 接客のコツ[基本/応用]とNG行動を解説

働き方 2022.07.14

プロが教える「接客で大切なこと」とは? 接客のコツ[基本/応用]とNG行動を解説

飲食店や宿泊施設、アパレルショップといった接客業はもちろん、営業やサポート業務まで、あらゆる仕事で必要な接客のスキル。医療事務、アパレル、コーヒーショップ、レストランと、多様な接客経験を持つマナー講師の村山愛さんに、その基本と応用、NG行動まで解説してもらいました。

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協力:日本サービスマナー協会

接客のコツ[基本編]〜5大原則を押さえよう

村山さんは接客の基本として、「表情」「身だしなみ」「立ち居振る舞い」「言葉遣い」「あいさつ」の5原則を挙げます。当たり前のようで、意外におざなりになりがちなことばかり。整理して意識するだけでも、接客の質が上がるでしょう。

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1.表情(笑顔)

接客の現場では、表情の基本は「笑顔」です。口下手な人でも、笑顔が素敵ならお客様に良い印象を持っていただけます。
ただ満面の笑顔をつくればよいわけではありません。村山さんは「笑顔にも種類がある」と指摘。中でも三分咲きの笑顔、五分咲きの笑顔を意識するとよいでしょう。
三分咲きの笑顔は、口を閉じたまま広角をぐっと上げる笑顔で、「待機中の笑顔」とも言われます。より感情豊かに歯を見せて笑うと五分咲きの笑顔になります。お店や会社にお客様を迎えるときや、感謝の気持ちを伝えるときは五分咲きでニコッと笑いましょう。

2.身だしなみ

身だしなみは、何と言っても清潔感が重要です。ヒゲや髪型、爪などの乱れ、服装の汚れやシワがないよう注意してください。制服や服装の規定は、お店や会社のイメージを表現するものですから、とても大切です。
また、仕事着は機能性を考えて作られているものです。例えば、コックコートの前身頃が二重になっているのは、お客様の前へ出る際、綺麗な面を入れ替えることができるため。汚れた面を内側に隠し、清潔感のある姿で対応できます。
制服はその意味を理解し、着崩さず正しく着用しましょう。

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3.立ち居振る舞い

立ち姿勢は背筋を真っすぐ伸ばし、誰かと話すときは正対し、相手の目をしっかり見るのが基本です。歩くときは、足を引きずらず、大きな足音を立てないように。こちらも、疲労によって乱れるので気をつけましょう。
お辞儀は、会釈(15度)、敬礼(30度)、最敬礼(45度)を使い分けます。人とすれ違う時や軽く挨拶するときは会釈、お客様を迎えるときは敬礼、特に大きな感謝や謝罪の意を示すときは最敬礼と、TPOによって使い分けを行いましょう。
また、商品やメニューなど、物を指すときは手のひらを相手に見せて指をそろえて示すと、丁寧な印象を与えられます。

4.言葉遣い

丁寧語、尊敬語、謙譲語を正しく使い分けましょう。後述しますが、間違った敬語が非常に多く使われています。

丁寧語…「です」「ます」など、丁寧な言葉によって相手への敬意を示します。「お料理」「お酒」といった表現に上品さを加える「美化語」も含みます。

尊敬語…相手を持ち上げることで敬意を示します。「お客様」「御社」「お荷物」といった表現や「召し上がる」「いらっしゃる」などが尊敬語に当たります。

謙譲語…相手を上げるのではなく、自分がへりくだることで敬意を表す敬語です。「伺う」「申し上げる」などの言葉遣いは謙譲語です。

また、「接客の7大用語」を正しく使うのも重要です。詳しくは下記をチェックしてください。

プロが教える接客の言葉遣い〜接客接遇7大用語、NG敬語など〜

5.あいさつ

「いらっしゃいませ」「おはようございます」「ありがとうございました」と、接客のみならずあいさつはコミュニケーションを円滑にする大事な言葉。しかし、日常的に使っているだけに、心のこもらないセリフのようになりがちです。
あいさつ(挨拶)の「挨」は「心を開く」、「拶」は「相手に迫る」という意味があります。自分の気持を開くことで、相手の気持ちも開いてもらい、距離を縮める作業。本来の気持ちが伝わるあいさつを心がけたいものです。
そのために、村山さんが指摘するのは「アイコンタクト」の重要性。忙しい作業中など、目を見ずにあいさつしてしまうこともありますが、これはNGです。目と目を合わせて、気持ちを通い合わせることが大切になります。

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接客のコツ[応用編]〜プロが指摘する3つのポイント

基本を押さえたうえで、さらに接客のクオリティを上げる方法を、村山さんが教えてくれました。特に重要なのが、「共感」「ビジョン」「視覚情報/聴覚情報」の3ポイントです。

1.共感を表現する

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接客を含むコミュニケーションで意外に難しいのが、「感情と表情、言葉をあわせる」こと。謝っているようにみえない謝罪会見が炎上したり、棒読みのプレゼンで内容が入ってこない、といったケースはよくあります。

また、接客では自分の感情ではなく、お客様の感情に合わせた表現が求められます。笑顔の重要性は前述しましたが、いつでも笑顔でいればよいわけでなく、お客様が困っていたら、自分も困惑や不安といった感情を共有し、それに合った表情で、汲み取った気持ちを伝えていきましょう。

「接客は共感力が大切だ」とよく言われますが、相手の気持ちになって、表現することまで含めて接客であることを、意識しましょう。

2.お店や会社のビジョンを理解する

同じ業種でも、お店や会社によって、求められる接客態度は実に多用です。「いらっしゃいませ」の一言でも、明るく元気にお迎えするのか、穏やかに言ってリラックスしていただくのか。接客とは文字通り、お客様とどのように関わるか、というお店や会社のビジョンそのものです。

そのためには、自分たちが商品やサービスを通して、どんな価値を提供しようとしているのか、そもそもを理解することが大切。お店や会社への愛着が増して、より心のこもった接客ができるでしょう。

3.最初の視覚情報、最後の聴覚情報

スタッフ・カフェ店員・飲食店・話す・男性・人は主に視覚情報から第一印象を受け取ると言われています。5原則でも視覚に訴える1.表情(笑顔)、2.身だしなみ、3.立ち居振る舞いは、お客様に良い印象を持ってもらい、ポジティブな気持ちで過ごしていただくために、大変重要な要素です。

言葉遣いやあいさつは、主に聴覚に訴えます。村山さんが勧めるのは、あいさつに添えるプラスαの一言。「“暑い中ご来店いただき”ありがとうございました」「ありがとうございました。“足下お気をつけてお帰りください”」と、特にお客様を見送るときに使えば、良い印象を残すことができ、口コミや再来店にもつながります。

知らない間にやっている? 接客のNG行動

接客の基本を理解していても、いつも完璧にこなせるとは限りません。ついやってしまいがちなNG行動を、村山さんに挙げてもらいました。

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1.自分の感情で接する

共感力の重要性はお伝えしたとおりですが、裏返せば自分の感情や都合を優先すると、接客はうまくいきません。仕事が忙しかったり、プライベートの悩みがあると、イライラや不安などの感情を持ってしまいます。また、販売などのノルマや、どうしてもオススメしたい商品があると、ついつい買ってもらうことを優先させがちです。

接客する人も人間ですから、感情や自己都合があって当たり前ですが、お客様には関係のないことであるのも事実。これが接客業の難しいところで、自分の感情を主に出すと良い成果はうまれにくいものです。自分が不安定なときこそ、お客様に寄り添って接しているか、自問してみましょう。

2.間違った敬語

例えば飲食店では、「ご注文のアイスコーヒー“になります”」「お会計の“ほう”をお預かりいたします」「ご注文は以上で“よろしかったでしょうか”」といった間違った敬語がよく使われています。それぞれ、「ご注文のアイスコーヒーでございます」「お会計をお預かりいたします」「ご注文は以上でよろしいでしょうか」が正しい言葉使いです。

慣れ親しんでいる表現でも、お客様にとっては違和感の元になりえます。良い印象は持たれないので、正しい敬語を意識しましょう。詳しくは下記をご覧ください。

プロが教える接客の言葉遣い〜接客接遇7大用語、NG敬語など〜

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3.疲労時の態度の悪化

長時間立ちっぱなしでたくさんのお客様に対応するなど、接客業は心身の負担が大きい仕事です。疲労がたまると、どうしても態度がなげやりになったり、だらしなくなるものです。

たとえば、疲れてきて片足に重心を置いて立つと、姿勢がだらしなく見えます。両足重心を常に意識してください。
また、歩くときも足取りが重くなるので、知らないうちにかかとを引きずったりしていないか、注意しましょう。

まとめ

マナー講師の村山愛さんが示す接客の基本は、まず1.表情、2.身だしなみ、3.立ち居振る舞い、4.言葉遣い、5.あいさつの5原則を押さえること。応用編では、共感力やビジョンの理解、視覚情報と聴覚情報の重要性について聞きました。わかっているようで、やってしまいがちなNG行動も!

接客経験の長い方でも、折に触れて本記事を読み返すと、忘れていたことを思い出せるはず。ぜひ、ブックマークに入れて、長く活用してください!

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