ワークライフバランスの取り組みとは? 企業の好事例と従業員側から見た現状と課題

近年、「ワークライフバランス」という言葉を耳にすることが増えてきました。
ワークライフバランスは従業員が仕事と生活のバランスを取れるようにすることを目的としていますが、なぜこのような活動が行われているのかご存知でしょうか?

この記事では、ワークライフバランスの目的とメリットを説明し、実際に企業がどのような取り組みを行っているのかを紹介します。

また内閣府が行った従業員に対する意識調査をもとに、ワークライフバランスの現状と課題を説明します。

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ワークライフバランスとは?

ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」の実現を目指した概念であり、内閣府男女共同参画局が推進している施策です。

この取り組みは世間に広まる、労働者の悩み、企業や社会全体の悩みを解決するための施策です。

例えば「正社員が少なくて残業時間が減らない」「共働きで子供の世話が大変」「仕事のことで頭がいっぱいになり休んでも疲れが取れない」といった個人の悩み。

企業側としては「少子化が進み人材確保が難しい、辞めていく社員が増えている」
といった悩みを抱えています。

つまり、ワークライフバランスとは個人の「生活の質の向上と仕事の充実」企業の「人材不足」を解決するための施策なのです。
参考:内閣府「仕事と生活の調和」推進サイト
では、企業にとってこの施策はどのようなメリットがあるのでしょうか。
次に詳しく見ていきましょう。

企業がワークライフバランスを重要視する理由

企業側がワークライフバランスを推進するのは、従業員の健康問題の解決が企業の利益にとって重要だからです。

企業にとって、従業員の健康維持・増進にお金をかけることは「コスト」ではなく、将来に向けた「投資」であるととらえられています。
医療費が抑えられて生産性が向上し、従業員の満足度が上がり企業イメージの向上につながります。

つまり、ワークライフバランスを推進することは、株主や従業員、取引先や顧客といった「ステークホルダー」にとってプラスに働くため、企業の利益につながるのです。

ワークライフバランスの推進に取り組んだ企業の好事例集

実際に企業がワークライフバランスを推進するために取り組んだ事例を紹介します。
離職率の低下や、厚生労働省から評価された企業などを取り上げています。
ぜひ、人事制度を担当する方は参考にしてみてください。

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改革に成功し離職率が28%から4%前後に低下!サイボウズ株式会社

2005年に離職率が28%と過去最高を記録し、そこから改革へ取り組み4%前後まで低下させたサイボウズ株式会社。
ユニークな制度の中から3つを紹介します。

・「新・働き方宣言制度」
社員がそれぞれ自分のはたらき方を自由に記述しその通りに働いても良いとされる制度。

・「副業の許可」
会社の資産と関係ないものは、上司の許可も必要なく自由に行うことができます。

・「子連れ出勤制度」
子供の預け先がない、学童保育に行きたがらない時などにチームの生産性を下げないルールをもとに、子供を連れて出社することが可能です。

https://cybozu.co.jp/company/work-style/

テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰 受賞!e-janネットワーク株式会社

2021年に厚生労働大臣表彰 輝くテレワーク賞の特別奨励賞を受賞したe-janネットワーク株式会社。

社員自宅でのネットワーク環境整備に向けた月次手当(月5000円+勤務日数×500円)に加えて、一般社員と契約社員に対しては一人一律10万円、パートタイム従業員に対しては勤務日数に応じて「テレワーク環境準備一時金」を支給しています。

https://www.e-jan.co.jp/about/workstyle.html

会社から旅行費用の70%が支給?ユニークな社内制度が魅力!六花亭グループ

和洋菓子を製造販売している六花亭グループ。
ユニークな福利厚生制度が話題ですがその中で「社内旅行制度」を紹介します。

行きたいコースと目的を企画して6名以上の仲間が集まれば、会社から旅行費用の70%(年間20万円まで)が補助金として支給される仕組みです。

https://www.rokkatei.co.jp/recruitment/outline/welfare/

日本代表戦の翌日は休み!?サッカー休暇があるGEOCODE株式会社

WEBマーケティングを中心に展開する株式会社GEOCODEでは「サッカー休暇」という制度があります。
日本代表戦の応援に参加した社員は、試合結果によって翌日に臨時休暇が取得でき、中継の時間帯により宿泊費やタクシー代を会社が負担してくれるというサッカー好きにはありがたい制度です。

離職率を劇的に改善させた育成システム!株式会社ビースタイル

MAW(Must-Action-Will)という上司と1対1での面談の機会や「キャリアチャレンジ制度」毎年年2回の異動を申請できる制度といった人材育成に力を入れて、20%ほどあった離職率を8%ほどに改善しました。

https://www.bstylegroup.co.jp/recruit/environment/index.html#ev_block04

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現状と課題「従業員は残業した方が評価されると思っている」

これまでワークライフバランスの取り組みについて紹介してきましたが、依然として従業員は「残業した社員のほうが上司に評価される」と感じているようです。

残業量が多く有給休暇を取らない「仕事人間」のような人が評価されるイメージが世間には残ってしまっているのです。

それもライフスタイルのひとつですが、個人の健康面の問題から社会全体の問題である少子化による労働力不足に広がってしまっているのです。

まだまだ、既存の習慣が残る企業が存在しているのが現状のようです。
企業側と従業員の意識の改革を含めた風土づくりがワークライフバランスの実現に重要なのです。

まとめ

日本全国でワークライフバランスが整うまでには、まだまだ時間がかかることが予想されます。

紹介したサイボウズ株式会社のように人事制度に関するアイデアを実行し、浮き彫りになった問題を解決することが、既存の習慣を変え、企業の経営状態に好影響をもたらしています。

紹介した事例を参考に、ワークライフバランスの取り組みを考えてみてはいかがでしょうか。

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