10の視点でみるジョブ型雇用/人事制度〜背景、メリット/デメリット、導入のポイント〜

未分類 2022.09.17

10の視点でみるジョブ型雇用/人事制度〜背景、メリット/デメリット、導入のポイント〜

企業、個人のビジネス環境が大きく変わる中で、昨今注目度を増しているのが「ジョブ型」というキーワード。私たちの働き方、キャリア形成を転換させる可能性があるシステムを、いまのうちに理解して、対応できるよう準備しておくことが肝心です。

ペコリッチプラスでは、どこよりもわかりやすくジョブ型の雇用、人事制度の全体像を明らかにするべく、10の視点を設定しました。飲食での働き方や他のスタッフとの関わり合いの中で、すでに実践されていることや、活かせることがあるかもしれません。

 

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ジョブ型雇用の基本

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1.ジョブ型雇用は、仕事に人をつける人事制度

あらかじめ職務(ジョブ)の内容を定め、適した人材を起用するのがジョブ型雇用のシステム。終身雇用制度の下、日本で発展してきたメンバーシップ型雇用とは、対称的な概念として語られます。
ジョブ型は求めるスキル、責任の範囲を明確に定義して人材を雇用するのに対し、メンバーシップ型ではまず人材を採用し、適性を見極めて職務を与えます。いわば「人に仕事をつける」仕組みです。
欧米を中心に海外では、「仕事に人をつける」ジョブ型が主流だと言われています。

ジョブ型雇用が注目される背景

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2.ジョブ型雇用は、個人の学習意欲を高める

終身雇用とまではいかずとも、メンバーシップ型の制度ではある程度の長期雇用が前提となります。会社が仕事を与えてくれ、業務のなかで成長させてくれる土壌があります。それだけに、個人の学習意欲が高まらない傾向が強いのです。
パーソル総合研究所の調査では、「勤務先以外での学習や自己啓発活動」を行っている人の割合は、APAC14カ国中で日本が最下位でした(APAC就業実態・成長意識調査(2019年))。
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/apac_2019.html

日本企業が国際的に優位にあった時代は、それで良かったのかもしれません。しかし、日本企業の競争力や給与水準が相対的に下がっているのは周知の通りで、特にDXの遅れ、DX人材の不足が指摘されています。

この状況を改善するための施策として、ジョブ型の人事制度が注目されています。ジョブ型では、特定の会社に適したスキルではなく、どこへ行っても通用する職務能力が求められ、能力を高めるほどに収入も上がります。そのため、専門性を高めようとする圧力が個人にかかるのです。

3.ジョブ型雇用は、多様な人材が働く場をつくる

ビジネスがグローバル化するなかで、人材獲得競争も世界的な規模に広がっています。日本企業だけが、同質性の高い人材だけを求めていたら、優秀な人材は確保できず、ビジネスの競争にも負けてしまいます。

世界の多くの企業が採用するジョブ型を導入するということは、日本企業の人事制度がグローバル標準に近づくということです。人事制度の改革は、国や文化の枠を越えて、多様な人材がともに働く機会を増やすことにつながります。

ジョブ型を導入するには

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4.ジョブ型雇用には、透明な評価と適切な賃金が必須

メンバーシップ型の人事制度では、上司が総合的に人材を判断して評価していました。上司に気に入られている、遅くまで頑張っている、といったあいまいな要素が影響する余地があります。しかし、明確に職務と役割が規定されるジョブ型雇用では、属人的な評価はできません。

裏を返せば、誰もが納得するような透明性の高い評価制度を、はじめから作っておくのが企業の課題です。また、同じ職務であれば、賃金をはじめとする条件は、外部の人材市場に合わせなければ優秀な人材は採用できません。ジョブ型人事制度は、日本の賃金伸び悩みの問題を解決に導く一助になります。

5.ジョブ型雇用は、現実的にリスキリングがセットになる

リスキリングとは、学び直しによって、その時代に求められる新たな業務に対応可能なスキルを習得すること。特に、社会やビジネスのDXに対応するスキルが、念頭に置かれています。

日本の企業がジョブ型雇用に移行しようとしても、職務が求める人材をすべて外部から採用するのはコストがかかりますし、常に採用活動がうまくいくとは限りません。そこで、社内の人材をリスキリングして、ジョブ型の人事制度のなかで働いてもらう必要があります。多くの企業でリスキリングは課題となっており、社員に再学習の機会と仕組みを提供するケースが増えています。

なお、変化の激しい時代、習得したスキルの価値は5年で半減するという考え方があります。人生100年時代、キャリアは長期化しており、ひとつの職業で人生をまっとうすることは難しくなります。リスキリングは、個人にとって一生の取り組みとなるでしょう。

ジョブ型のメリット/デメリット

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6.ジョブ型雇用は、人材の市場価値を上げる

前述のとおり、ジョブ型を採用する企業は、従業員のリスキリングを進めようとします。働きながら、どこに行っても通用するスキルを身に着けられるのは、個人にとって大きなメリット。外部も含めた人材市場での価値が上がるので、賃金アップの交渉や有利な条件での転職、引き抜きなどの機会を得ることができます。

いっぽうで、自ら学習してスキルを身に着けていかなければ、良い条件で安定して働くことができません。しかも、これまでのような国内の市場ではなく、グローバルの人材市場で比較され、その中でジョブを勝ち取る必要があります。ジョブ型は人材に自立と、マインドセットの改革を求める制度でもあるのです。

7.ジョブ型雇用では、「誰も対応しない仕事」が発生しうる

ビジネスの現場ではさまざまな問題が起こるので、文書で規定できる職務以外の作業も発生します。誰にも規定されていないタスクが放置されてしまう、といった事態が起こりえます。その点、共通の目標に向かって皆が協力するメンバーシップ型の組織は、想定外の事態が起こったときに気づいた人が対処するなど、うまくバランスをとって業務を遂行することに長けています。

ジョブ型の組織でも、人間関係を調整するのが得意、人をフォローするのが得意、といった数値で表せない能力を、評価する必要があるのではないでしょうか。

ジョブ型の事例

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8.ジョブ型は、日立、カゴメ、KDDIなどが導入する

日本のジョブ型導入事例としては日立製作所が有名です。ビジネスのグローバル化に合わせて、2010年代前半からジョブ型への移行を進め、世界の人材情報の把握、役割や仕事の基準の明確化などに取り組んでいます。同社の採用サイトでは、次のようにジョブ型人事制度を位置づけています。

受け身から能動へのシフト。会社から与えられたキャリアをこなすのではなく、「一人称(自分自身)」でキャリアを築くということです。それをサポートするための仕組みも整えており、従業員はライフステージに合わせてワークスタイルを選ぶことも可能です。
https://www.hitachi.co.jp/recruit/hrsystem/message/

カゴメグループは2013年度から、「グローバル人事制度」の構築を開始。「年功型」から「職務型」等級制度への移行を進め、多様化する働き方に対応しています。
https://www.kagome.co.jp/company/csr/employee/employment/

また、KDDIはメンバーシップ型の良さを活かしながら、専門性の向上やDX人材の育成を重視する「KDDI版ジョブ型」を推進しています。
https://career.kddi.com/environment/diversity.html

ジョブ型の本質

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9.ジョブ型雇用は、経営戦略だ

自社もジョブ型への移行を経験したデフィデ代表の山本哲也氏は、「経営戦略に対して、最適な組織と職務を設計することがジョブ型の本質だ」と言います。どういうことか?

ジョブ型の基礎は、契約時に定める人材の職務です。個人の職務とそのために求められるスキルは、組織が担うタスクによって定まります。その組織のあり方は、経営戦略によって決定されるわけです。
山本氏は、ジョブ型への移行は、企業のあり方そのものを見つめ直すことだとしています。そのプロセス自体が、強い組織づくりにつながるとしていうのです。

10.ジョブ型雇用は、社会で人材を育て社会でシェアするモデルだ

再三お伝えしてきたとおり、ジョブ型の人事制度では企業によるリスキリングが欠かせません。そして、人材は市場価値を上げて、流動性の高い社会に耐える力を身に着け、必要とされる場所で活躍します。
企業の立場になってみれば、自社で育てた人材に転職されてしまってはたまらない、というのはごく当然の考え方でしょう。しかし、囲いこまれた人材が安住し、そのことで企業が競争力を落とし、賃金も上がらないのであれば本末転倒です。

・常に人材の学びを後押しする
・企業の枠を越えて活躍できる
・そのとき必要な人材を企業が活用できる

上記のような環境を整えることで、みんなで人材を育て社会全体でシェアをするのが、ジョブ型人事制度の要諦です。

参考:【最新ビジネス解説】個人の能力を最大限引き上げるデフィデのジョブ型に特化したクラウド人事サービス「JOB scope」

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